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愛DoLL☆美しき野獣
第13章 十三章
真琴はその涙を見て、頭がズキリと痛む。
「・・いやっ。」
頭が割れるように痛んだ。
痛い、痛い!!!
あ、あたし・・。
あたしは・・。
この人の涙は見たくない!!!
見たくないんだーーーーっ!!!
「・・あっ・・あっ。」
突然、真琴の身体が痙攣を起こす。
潤は、しっかりと彼女を抱きしめるが、震えは止まらない。
「真琴、大丈夫か??」
潤ははっとする。
とっさに抱きしめた手を見た。
彼女の太ももから、つつーっと白い液体が流れて来て、潤の手を汚していた。
しかも、かすかに血が混じっている。
その瞬間、潤の思考回路がプチンと切れる。
「て、てめぇだけは、絶対に、ゆるせねぇ!!!!」
「・・や・・やめて・・下さい。」
真琴は痛む頭と震える身体を振り絞って、潤に縋りついた。
「・・エド・・ワードさんを傷つけないで・・下さい・・。」
「・・・・・っ!?」
真琴のその言葉を聞いて、潤は銃で撃たれたような衝撃を受ける。
「潤。」
ゆっくりと、エドワードは潤に歩み寄り、両手を差し出す。
「返して。」
「はぁぁ?」
「真琴を返してよ!!」
「ダメだ!!!」
「潤には、潤の守るべき¨DOLL¨がいるだろ???オレの¨DOLL¨を早く返して!!!」
「いやだ!!真琴は¨DOLL¨なんかじゃない!!お前には、絶対に渡せない!!」
エドワードは、真琴に視線を落とす。
彼女の瞳は、真っ直ぐ彼を見つめていた。
「ねぇ、真琴。今、オレと、潤とどっちを取る?」
「この状態でそんなこと聞くか!!」
「潤に聞いてない、オレは君の意見に従うよ。」
「・・・・さん。」
「真琴ダメだ。こいつの話を聞くな!!」
真琴は潤の腕の中でもがき出す。
「聞こえないよ、真琴。」
エドワードは冷たく聞きなおす。
「腕を、は、離して・・くだ・・さい。」
「ダメだ!!離さない!!」
「ちゃんと言わないと、もう、オレは君を抱いてあげないよ?」
「やぁ・・やっ!!」
真琴は目を見開き、ジタバタして手を伸ばす。
必死でエドワードに許しを請うように・・。
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