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愛DoLL☆美しき野獣
第14章 十四章

そのとき、テーブルの奥にある食堂の大きな扉が、開いた。

ド、クンと、真琴の胸が高鳴った。

180cmはありそうな長身のメガネをかけた男性が車椅子を引いて訪れたのだ。

車椅子に座っているのは、真琴の実の父親だった。


「・・・お父さん。」


ガタっと真琴は椅子から立ち上がった。
最近はTV電話でしか見たことがなかった父。
まさか車椅子を使わなければいけないほど、体が悪いなんて、誰からも聞いてなかった。

真琴はただ、驚く。

すぐさま父親に近寄り、彼女は床に膝を付き、彼の手をぎゅうと抱きしめた。


「会いたかったです・・・。」


しかし、彼女の頭上から返って来た言葉は、父親の優しい言葉ではなかった。



「真琴さん。」


それはとても、冷ややかな声だった。



「お父さんが困っています。」



「えっ??」




「あなたの汚らわしい手で触れないで下さい。」




真琴は、頭が真っ白になる。

恐る恐る、顔を上げると、そこには、冷たい視線を自分に降り注ぐ、真琴の兄、千秋の姿があった。


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