この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
愛DoLL☆美しき野獣
第14章 十四章

「早く席について下さい。お話は、食事を終えてからゆっくり聞きますから。」


千秋は、メガネを直しながらそう言った。


「・・・はい。」


真琴の顔色が一層悪くなった。

エドワードは、心配そうに、彼女の座る椅子を引く。


「真琴、大丈夫?」


「だ、大丈夫です。」


しかし、食事は喉を通らない気がした。

実の父親の病気。
冷酷そうな実の兄。
ここにいるはずの母親の姿はない。

やはり自分とは会いたくないんだろうか・・・?

この13年間、母親は、TV電話にさえ出てくれなかった。

唯一、自分を可愛がってくれた姉の静は、結婚していて、きっともう、この屋敷にはいない。

真琴の中で、ひどい、孤独感が襲う。

家族なのに・・・肉親なのに・・こんなに冷え切った感覚は・・・つらい。

彼女は唇を噛み締めて目を瞑った。

少しでも気を緩めたら、涙が出そうだったから。


ふと、右手に冷たい手が添えられた。

ビクッとすると、エドワードが驚くほど熱い瞳でこちらを見ていた。

ド、クンと、胸が高鳴る。

こんな瞳をする彼は、ベットの中でしか今まで見たことがない。

エドワードはそのまま真琴の右手の甲に、ちゅっと、音を立ててキスをする。

その優雅で英国紳士的な仕草にドキリとした。


「オレが、いるよ。だから、そんな顔するな。」


いつもよりも、強い口調で、命令形だった。
本来の彼の気性が見え隠れする。

真琴は胸が熱くなるのを抑えきれない。

彼はきっと自分の全てを受け入れてくれる。

どんな我侭さえ、聞いてくれる。

唯一のひと・・・。


「・・・うん。」


家族に会いたいと言い出したのは、自分だ。

実の兄に、どんなに冷たくされ、卑下されても、逃げずに精一杯、受け止めよう。


真琴は、強くなりたいと、心から思った。

.
/707ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ