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愛DoLL☆美しき野獣
第14章 十四章

しかし、やはり食事はあまり喉を通らなかった。
食事を終えると、先程のメイドが、東堂護氏を、別室へと連れて行ってしまった。
父ともっと触れていたいと思っていた真琴は、とても寂しい気持ちになった。
お父さん・・・。
そんな真琴に、千秋は、フッと笑みを零す。
「本当におめでたい子ですね、真琴さんは。」
「・・・・っ!?」
真琴はつい、千秋を睨みつけてしまった。
しかし彼は、クスクス笑うことを止めない。
「滑稽という言葉はこんな時に使うんですかね?」
「何が言いたい?」
千秋の笑みに耐え切れなくなったエドワードが、口を挟んだ。
「父はね。」
千秋がそこまで言うと、エドワードは、ダンっと勢い良く席を立った。
「タイムリミットだ!!!それ以上何か一言でも、言ってみろ??オレは君を許さない。」
「やれやれ、どうやら僕には、発言権がないらしい。まぁ、ジャックスホード家の取引を破談にされたら、こちらとしては分が悪い。今回は引き下がりましょう。」
「ねぇ何のこと?」
真琴はドキドキしていた。
この二人が、火花を散らす、意味が分からない。
「お父さんがどうしたの?」
「今のあなたには知るべき事ではありません。それでよろしいですか?エドワード氏。」
「この世に、オレよりも、腹黒い人間がいるとはね?ちょっと驚いた。」
「くくくくっ!!お褒めにいただき光栄です。」
「ちょっと、待って!!二人で勝手に話を進めないでよ!!全然話が見えない!!」
「真琴さん。」
「はい?」
「あなたは、この半年間の記憶を無くしているそうですね?」
「そうですけど・・?」
「僕はあなたの記憶が戻らないことを心から祈ってますよ。」
「なんで?」
「その半年間の記憶は、あなたにとって、とても辛いものだからです。」
真琴は、千秋の発言にびっくりして、思わずエドワードを見る。
彼は、敵をみるようなギラギラした瞳で千秋を見据えていた。
「で、真琴は、どうしたい?ここでこの千秋と一緒に暮らしたい?」
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