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愛DoLL☆美しき野獣
第14章 十四章

真琴を客室に移動させ、後はナースに任せると、二人は、地下にある書庫へ行った。
空気口のみで窓はなく、古い本が本棚にズラリと並び、部屋に入った瞬間、古い本の独特な匂いがした。
「ここは僕の憩いの場所です。義母に追い詰められた時、必ずここへ来て、本を読み漁りました。」
「へぇ?また随分と暗い場所で。君が根暗になったのは、そのせい?」
千秋のかけているメガネのフレームがキラリと光る。
蛍光灯の灯りの反射で、彼の瞳の色は伺えない。
エドワードは、気味の悪いこの男に、どうやって制裁を加えようか、考えていた。
東堂をつぶしにかかるのは、容易い。
しかし、彼のビジネスセンスなら、なんとか持ちこたえられる手段を取るかも知れない。
それなら、千秋個人を、精神的に追い詰めたい。
「無駄ですよ?」
「はっ?」
「僕はあなたと同じタイプの人間です。これ以上、あなたと戦う気はサラサラありません。」
・・・こいつ!?やはり聡い。
本当にオレと同じタイプの人間だ。
頭脳明晰で究極のサディスト。
エドワードは、心の中で舌打ちした。
そして彼は、得意の作り笑いをする。
「で、オレに何の用?」
千秋は、口の端を吊り上げて、薄く笑った。
一瞬、垣間見えた彼の瞳は、氷のように冷たかった。
「僕の計算の中で、あなたが唯一の誤算でしたよ。」
「ふ~ん。まぁ、そうだろうね・・。オレが邪魔なら、消せばいい。」
「僕は頭脳プレイ専門で、あなたほど、体力はありませんから。」
「じゃあ、殺し屋でも雇えば?それでもオレは負ける気はしないけど。」
「くくくくっ。そうでしょうね、僕はそんな無駄なことは、しませんよ。」
「ふ~ん。」
「ただ、これだけは言わせてください。」
「嫌だね、聞きたくないよ。」
エドワードは、拗ねた様に、顔を背けた。
しかし千秋は、構わず言葉を続ける。
「これ以上、僕の邪魔はしないで下さい。」
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