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愛DoLL☆美しき野獣
第16章 十六章
「・・苦しいんだ・・潤。」
「エド・・・お前・・?」
「真琴のオレへの想いが偽者だと分かってるから・・幸せな気分になる度に、苦しいんだよ!!!」
「・・・・。」
潤は何も言わず、エドワードに吸い込まれるように、彼の頬に伝う涙を舐めた。
「・・ッ潤!?」
「いい気味だな?思い知ったか、それが散々人の気持ちを踏みにじって来た、報いだ。」
「・・・オレは、真琴を愛す資格なんかないのかもしれない・・。」
「けっ!てめぇにしては、随分弱気な事吐くじゃねぇか?」
「こんな姿・・潤の前でしか見せれない。」
「・・・怖くなったのか?いずれアイツが俺の事を思い出すのが?」
「怖い。怖いよ、この幸せが壊れたら・・オレは真琴に何するか分からないから。」
「俺に止めて欲しいか?」
「うん。」
「残念だが・・・俺はもう、止めに行かねぇー。」
「君にはもう響ちゃんがいるから?」
「・・ああ。俺はもうわかってるつもりだ。自分が守らなきゃならないものをな。」
「いい子だよね、響ちゃん。潤にはお似合いだよ。ちょっと嫉妬するくらい。」
「響に手を出すな?お前には関係ねぇー女だ。」
「オレは手を出さない。だけど、君や響ちゃんを貶めようとしている輩はいるから気をつけた方がいい。」
「東堂の人間か?」
「ああ、真琴の実の兄、千秋が今まで君を苦しめるような筋書きを書いたと言ってもいい。」
「・・・そうか。わざわざ今夜、それを俺に言いに来たのかよ?」
「・・違うよ・・。」
エドワードは視線を逸らし、顔を赤くしてそっぽを向いた。
その態度で、潤は、彼が照れ隠しで¨違うよ¨と言ったことが一目瞭然だった。
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