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愛DoLL☆美しき野獣
第16章 十六章
数時間後、主寝室から出てきたのは、エドワードだけだった。
自分の部屋に閉じこもっていたはずの響は、いつの間にか、リビングのソファーに座って待っていた。
「あの・・潤さんは?」
少し怯えたような声だった。
「ああ、ベットで寝てるよ。久しぶりに話し込んだら、疲れたみたいだ。しばらく、ゆっくりさせてあげて。」
「・・・はい。」
響は、エドワードに疑うような視線を向ける。
「ぶっくくくっ、何を話し込んでたのか、気になる?」
「気になりません。僕は、潤さんを信じてますから。」
「ふ~ん、純粋っていうのも、罪だよね?」
「はい?」
「ひどく、穢したくなるよ。」
「なっ・・!?」
「ウソだよ。オレは君には手を出さない。まぁ、せいぜい身の安全には、気をつけることだね?」
響は、お腹を庇いながら、大きなボストンバッグをエドワードの目の前に置いた。
「これは、あなたの荷物だと思います。もう、二度とここへは来ないで下さい。」
「あれぇ~?全くよく出来たお嫁さんだね。分かったよ、次に潤に会うときは、お外で会うことにするから。」
「出来れば、もう潤さんとも会わないで下さい。」
「それは無理な話だ。」
「お願いします!!」
響は、深々と頭を下げた。
「そのお腹に免じて、子供が生まれるまでは、もう潤とは会わない。」
「あ、ありがとうございます。」
「元気な子を生んで。頑張ってね?」
「はい!!!」
「じゃあ、さよなら、響ちゃん。」
後ろに振り向きざま、エドワードは、ボストンバッグを軽々片手で持って、手を振った。
こうして彼は、白金のマンションを後にした。
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