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愛DoLL☆美しき野獣
第17章 十七章
響の頭の中で、数年前の記憶がフラッシュバックする。
生まれて初めて、¨DOLL¨として派遣されたのは、世田谷区にある東堂家。
そこで、東堂千秋と暮らすことになった。
普段、あまり家にいない東堂家当主と、その夫人。
その一年間、ほぼ千秋と共に過ごしたと言っていい。
彼は、同性愛者だった。
だから女性の自分に、なるべく男になるように、あらゆることを押し付けた。
言葉使い、生活態度・・・そして肉体的にも・・・。
尽くして、尽くして、付き従ったのに、彼は、一年後の更新をせずに、あっけなく響を解約した。
散々、惨いことをしてだ・・。
響にとって千秋は、恐怖の対象以外ない。
まさか、彼がまた自分の目の前に現れるなんて・・思いもよらなかったのだ。
「響さんに、良いことをお教えしましょうか?」
響はとっさに耳を塞ぐ。
聞きたくない!!!
この人の声は、悪魔にしか聞こえないから!!!
しかし、千秋は、耳元で大きな声で、囁く。
「僕は木下潤の破滅を望んでいます。子供は諦めて下さい。」
「ひぃっ!!!!」
響は、お腹を庇い、千秋に背を向けた。
「彼の本当の気持ちは、あなたにないことを知ってますか?」
「い、言わないでください・・。」
そんなこと、充分知ってるから!!
お願いだからこれ以上、甚振らないで下さい!!!
「では、僕の妹をご存知ですか?まぁ、妹と認めたくはありませんが・・。」
い、いもうと???
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