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愛DoLL☆美しき野獣
第17章 十七章
「どうして?さぁて、どうしてかなぁ。」
「・・あ、あの。」
「誰か呼ぼうか?潤はまだ主任と話し込んでいるみたいだけど?」
「潤さんに言わないで下さい!!」
「何を?」
「僕が、あの人の¨DOLL¨だったことです!!」
「あー、そうか。」
「お願いします!!!」
響は涙も拭わずに、深々と頭を下げた。
「頭をあげてよ?一応、確認するけど、君は、何も知らなかったんだよね?」
「はい。」
答えた彼女の瞳は、真剣で、キラキラしている。
とてもウソをついていたようには見えなかった。
エドワードは、ポケットからハンカチを取り出して、響の涙を拭いてあげた。
「オレも、さっき立ち聞きしちゃって、びっくりしたよ。いくらLOVE CONPANYに強力なコネがあると言っても、君の情報まで入手出来なかったからね。」
「僕も東堂と木下に因縁があったなんて知らなかったんです。」
「そっか、三条院家は、両家との柵なんてないからかな?」
「はい。」
「大丈夫。オレは言わないよ。」
「ありがとうございます。」
「いいよ、何であれ、君が潰されなくて良かった。」
「・・・何で僕のことを助けてくれたんですか?」
「ああ、単なる気まぐれだよ、気にしなくていい。じゃあ、オレはもう行くよ。千秋はもうここには来れない様、ちゃんと手配しておくから。」
「あ、待って下さい!!」
むぎゅっと、響は、エドワードのスーツの裾を握ってしまった。
「何かな?」
「ま・・まことさんのことを教えていただけませんか?」
「えっ?」
「お願いします。傷つくのが怖くて、潤さんには聞けないんです!!」
エドワードは小さくため息を吐き、腕時計を見た。
「次の会議まであと2時間。まぁ間に合うかな・・。」
「エドワードさんは、お仕事放り出してまでここに来てくれたんですか?」
「え?あっ、まぁ。千秋にスパイ張ってたから、不穏な動きをしたら、知らせるようにしてたんだよ。」
「すごい・・・そこまでして。」
「ん?ここは特殊な人間しか入れない研究施設だから、オレがどうにかして来たんだよ。潤は、肝心な時に、結構抜けてるから当てにならないだろ・・・。」
「僕は・・・あなたに頭が上がりません・・。」
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