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愛DoLL☆美しき野獣
第17章 十七章
エドワードは、病室を出ると、研究室最高長官に直々に掛け合い、東堂家と木下家の因縁を軽く話し、東堂千秋のここへの出入りを禁じるよう強く命じた。
さきほど、彼は響に真琴について多くを語らなかった。
それは、これ以上、余計な心配をかけないように配慮したものであり、決して自分の身を肯定するための言いわけだけではなかった。
「生まれてくる命は、大切にしなきゃならないよ。たとえオレが周りから外道で、鬼畜と呼ばれても、それだけはやってはいけないことだと思うよ、千秋。」
研究室の屋上でヘリコプターを待ちながら、徐に呟いた。
秘書がエドワードに囁く。
「ヘリ到着まであと、10分です。」
「そう、まだちょとだけ時間があるし、やっぱり潤に会ってこようかな。カイン、主任との話は終わった感じ?」
「はい、エドワードさま。」
カインと呼ばれた長身の短髪なイギリス人秘書は、エドワードに頭を下げた。
彼の周りは有能な秘書しかいない。
響のことを気にしながらスケジュールの調整も、以前の無理な在宅ワークの申し出も、彼なしじゃ出来なかった。
「20分で戻るよ。10分だけオレに時間頂戴♪」
「イエス、マイロード。」
再びカインは、エドワードに頭を下げた。
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