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愛DoLL☆美しき野獣
第17章 十七章
「ねぇ、あそこに怪我してる人がいるよ?」
「えっ?」
「かっこいいけど、もしかしたら、やーさん系かもしれないね。」
真琴は、友人が指差すほうを見た。
見た瞬間、その人とばっちり目が合ってしまった。
「あっ、あの人あたし、知ってるかも。助けに行った方が良いかな?」
「マジでぇ?でも私これから、彼氏と会う約束あるんだよね?」
「ああ、いいよ美奈ちゃん。あたしに気にせずに行って!!今日は付き合ってくれてありがとう。」
「えっ!一人で大丈夫?」
「うん、何かあったら、兄さまに電話して来て貰うから。」
「出たよ、あんたのスーパーブラコン。あんなに素敵なお義兄さんいて、よくアイドルなんかに嵌れるよね?」
「それは、美奈ちゃんがこの間あたしを無理やりコンサートに連れ出したからでしょう?」
「そうだけどぉ。あ、あの人、どこか行っちゃうよ、真琴、早く行きな。」
「う、うん。」
真琴は急いで店を出て、ヨロヨロと歩き始めた彼に、声をかける。
「ま、待って下さい!!!」
それでも、彼は真琴をシカトして歩き続ける。
「お願いですから、止まって!!」
ぎゅうと、腕を握ると、彼は、顔を顰めた。
「いてぇ!!いてぇよ!!馬鹿!」
「あ、ごめんなさい!!!」
「ったく、お前はぁ・・・!?」
「怪我してるんですよね?」
「見ればわかるだろ?」
「病院に行きましょう。」
「いい、こんなのたいしたことねぇ。」
「じゃあ、せめて家まで送らせて下さい。」
「はぁぁぁ?」
「携帯で、タクシー呼びますから。」
真琴はにっこり笑って、潤を見た。
「ね、そうしましょ!!」