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愛DoLL☆美しき野獣
第17章 十七章
(・・おかしなことになった・・。)
タクシーの中で、潤は隣に座る真琴のことを横目で見た。
サラサラの黒髪に、顔には少しメイクを施している。
いかにも今時の女子高生だ。
出会った頃は、あんなに男の子っぽかったのに、今は見違えるように、綺麗になっていた。
真琴には以前の潤の記憶がない。
確か会った時、彼女はエドワードの屋敷で裸姿だった。
しかも、エドワードと彼女を取り合ったシチュエーションだったはずだ。
なのに、彼女は気にした様子もなく潤に話しかけ、これからふたりで潤のマンションに行こうとしている。
(…こいつ、かなり図太いよな。)
潤の視線に気がついた真琴と目が合う。
真琴は、心配そうに、潤の背中を見つめた。
「怪我、痛みませんか?」
「いてぇ。」
「やっぱり病院に行った方が…。」
「いい。めんどくせぇ。」
「じゃあ、あなたのお家に着いたら、あたしが手当てしてあげます。」
「はぁぁ?」
「これでも、保健委員なので。」
「いや、怪我の手当てのレベルが違うだろ。」
「は?何か言いました?」
「ちっ!なんでもねぇよ。」
「あなたのお名前は、兄さまから聞いてます。」
「そうかよ。」
「はい、潤さんは、あたしの元彼だって聞きました。路上でヨレヨレで、普通、そんな人を放っておけないでしょう?」
「おせっかいだな、お前。」
「いい人と呼んで下さい。」
「ふーん、いい人ねぇ…。」