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愛DoLL☆美しき野獣
第17章 十七章
「ひとりで背中に消毒して包帯を巻けますか?」
黙ってしまった潤を気遣い、真琴は手を握ったまま玄関へと歩き出した。
「包帯を巻いたら、すぐに帰りますから、手当てだけでもさせて下さい。」
「・・・・。」
「お願いします。あなたのことを思い出しても、あたしはあなたを襲ったりしませんから。」
「当たり前だ。」
「はい。兄さまに怒られちゃうし。悲しませたくないから。」
「・・・お前、エドのことが好きなのか?」
「はい、愛してます。誰よりも。」
潤はそれを聞いて・・・。
何故か、ズンと、胃が重くなる。
(くそ、まだ俺は・・こいつが好きなのか・・。いや、響に悪い。だが、俺はこいつの手を振りほどけない。)
「潤さん、鍵下さい。あたしが開けます。」
「どうなっても知らねぇぞ?俺らは、互いに嫌いになって別れたわけじゃねぇし、それに・・お前はエドに・・。」
「ん?兄さまがどうかしたんですか?」
「いや、いい。何でもねぇ。包帯巻き終えたら、すぐ帰れよ?」
「はい、もちろん。」
潤は、深いため息を着いて、真琴にマンションの鍵を渡した。
ガチャと開けると、真琴は「お邪魔します」と言って、元気良く中へ入って行った。
「すご~い、キレ・・・。」
突然、ぐら~っと、視界が歪む。
「・・どうしたんだろ。あたし・・ここが懐かしい。」
リビングの壁紙、ソファー、TV,この、空間自体も見覚えがある気がする。
「あははっ!あたし、もしかして、ここで潤さんと暮らしてたとか?まさかね。」
真琴はブンブン首を横に振って、救急箱を探した。
無意識に、すぐに探し当てたことも、気づかずに、潤がリビングに入って来るのを待った。