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愛DoLL☆美しき野獣
第17章 十七章
(・・・まさか、再び真琴がこのソファーに座る日が来るなんて、夢にも思わなかった。)
「何してるんですか?潤さん!早くこっちへ来て座って下さい!!」
(これは、夢でも見てるのか、ああ、きっとそうに違いないな。)
潤は、真琴の隣に腰掛け、彼女に背を向けた。
「服を脱いで下さい。それじゃあ手当てが出来ませんから!!」
「あっ、ああ。」
慌ててスーツの上着を脱ぐと、照れた様子もなく真琴が叫ぶ。
「シャツも脱いで下さい。」
潤は、言われるまま上半身裸になると、真琴は息を呑んだ。
「すごい傷。」
「そんなにひどいか?」
「そうじゃなくて・・・怪我してる以前に、古い傷や痣が・・・たくさんあります。」
「ああ、それに関しては、あまり気にすることはない、早くやれ。」
「…潤さん。どうしよう。」
「何が?」
「あたし・・・この傷を見たら、無償にキスしたくなって来ました。」
「はっ?傷にか?」
「はい、でも正確に表現すると、舐めたいかな。」
「ふん!お前は、獣か?」
「かもしれない。どうしよう、思い出してもいないのに、襲いたくなってきました。」
潤の鼓動は早くなり、動揺を隠せない。
「絶対に、馬鹿だろ、お前?」
「馬鹿・・・みたいです。」
「・・・っ!?」
真琴が、潤の怪我した傷を舐めた。
「血の味がする。」
「当たり前だろ、もう舐めるな!!」
潤は、焦って、真琴から離れようとするが、彼女は彼のウエストにしがみついて、離れようとしない。
「やっぱり潤さんは、あたしの元彼さんなんですね?こうしていると、とても落ち着きます。」
「…真琴?」
「そして…なんだか、とても…眠たくなって…。」
「ダメだ、寝るな。せめて手当てしてからにしろ!!」
「はい。」
真琴は、重い瞼を堪えて、救急箱から消毒液を取り出して、潤の傷に塗った。
「・・いてぇ!!」
「我慢して下さい。思ったより軽い怪我で良かったです。」
背中から、胸へ包帯を巻きつけた。
腕も手首までぐるぐる巻きにした。
「これで、大丈夫だと思います。」
「ああ。サンキュな。」
「お礼として、少し抱きついても、良いですか?」
「はぁぁ?」
「…自然に眠れそうなんです。」