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愛DoLL☆美しき野獣
第17章 十七章
「自然に眠れそうって、なんだ?」
「あたし、ストレス障害で…薬がないと眠れないの。前よりだいぶ良くなったんだけど。」
「睡眠薬か?」
「そう。兄さまがいない時は、飲まないと絶対に眠れない。薬に頼るの嫌いだから、あまり飲まないんだけど。」
「それでここ一週間、まともに寝てないのか?」
「なんで知ってるの?」
「いや、エドから聞いた。」
「良かった!!知らぬ間に二人は仲直り、したんだね?」
真琴は、いつの間にか、敬語が取れて、タメ語に変っていた。
潤は、そのことに気づかずに、真琴の腕を引き寄せ、胸の中へ抱きしめていた。
「今夜、エドがこのマンションに来るから、それまで寝ていけばいい。」
「まだ帰らなくても、いいの?」
「ああ、抱きしめるくらいなら、浮気の内には入らないだろ?」
「・・ありがとう・・。」
真琴は潤の胸の中へ頬を埋めた。
「あなたの…温もりは、兄さまと同じくらいに…あたたかい。」
潤には、もう、分かっていた。
今でも、まだこの子が好きだということを。
だからと言って、響のことを厭わしいとも思わない。
「おやすみ、真琴。暫し、俺の哀しみを忘れさせてくれ…。」
「…んっ…。」
真琴は潤の胸の中で、幾日ぶりかの、安眠についた。