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愛DoLL☆美しき野獣
第17章 十七章
「お前に言われると、不思議と気色悪いとは思わないな。」
「潤もオレのことが好きなんだよ。ねぇ、君は今でも真琴の事が好き?」
「…ああ。」
「そうだ、今夜は潤のことを慰める日だったね?」
「・・・・。」
「とりあえず、何をして欲しい?」
「飯作ってくれ。」
「うん、良いよ。君のために作るのは、久しぶりだ。」
「真琴が来る前は、毎日のように食ってたお前の料理が今は、懐かしい。」
エドは、スーツの上着を脱ぎ、キッチンに置かれたエプロンを付けて料理を始めた。
手作りハンバーグと野菜スープ。
真琴が起きた時に食べれるよう、多めに作り、ラップをかけた。
「美味いな。」
「そう?響ちゃんが作るよりも美味しい?」
「…ああ。」
食べ終えると、潤が食器を洗った。
それが真琴がここへ来る前の、二人の暗黙のルールだった。
TVをつけて、ソファーに座って二人で見る。
「懐かしいね、こうやって、二人でTVを見るの?」
「ああ。」
「潤。」
「なんだ?」
「そろそろ、聞かせてよ、君の涙の理由。」
「・・・・・。」
「静の時は、完全に忘れさせてあげれなかったけど、懲りずにまた、君の哀しみを受け止めてあげても良いよ。」
「…ったく、お前は、そうやって俺を甘やかす…。」
「仕方ないだろ、潤のことがね、気になってしょうがないんだ。あの、学園祭で目が会った時から、多分、君のグレーの瞳に、堕ちてたよ、オレ。」
「まだ、俺の目は、やさぐれてるか?」
「ううん。だいぶ、落ち着いた、不幸が重なったせいかな?」
「ああ、あのホモ野郎のせいでな!」
「千秋がいなかったら、潤に出会えなかったよ、でも、彼に君を渡す気なんか、さらさらないけど・・・。」
「俺もごめんだ。真性のホモじゃねぇ。」
「ねぇ、オレたちの関係って、なんなんだろうね?」
「さぁ、単なる腐れ縁だろ?」
「オレはね、君と家族になりたいんだ。ダメかな?」
「お前、真琴と結婚させる計画を、諦めてなかったのか?」
「そうだよ、オレは、真琴も潤も欲しいんだよ。」
「傲慢なお前らしい答えだ。」
「そう、答えは君が握ってるんだろ?」
「ああ、今は、響のそばにいさせてくれ。あいつは、もう長くはない。」