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愛DoLL☆美しき野獣
第17章 十七章
「そんなことだろうと、思ったよ。」
「肉体改造された身体に、出産する体力は持ち合わせてないそうだ。かといって、今更流産させても、結果は同じだそうだ。」
「そうか、難しい出産なんだね。」
「妊娠中毒症と、診断された。普通の身体なら、治療法もあるらしいが、例をみない響の身体は、出産後、もって一ヶ月と言われた。」
「本人に知らせたほうがいいよ。最後くらいやりたいことやらしてあげた方が、彼女のためだ。」
「・・・・そうだな。」
「ねぇ、潤は、響ちゃんをそんな身体にさせた人間が憎い?」
「お前、知ってるのか?」
「うん。響ちゃんには、黙っててって言われたけど、言わずにはいられない。代わりにオレが復讐してあげる。もう、許せないの許容範囲を超えた。」
「誰だ?」
「君が嫌いなホモ野郎だよ。」
潤は、怒りをあらわにして、ソファーから立ち上がった。
「アイツ、ぶっ殺してやる!!!」
「待って、犯罪紛いの事は、極力避けたほうがいい。幸い、真琴は、もう、東堂家の人間じゃない。」
「潰すのか?」
「いや、潰すだけじゃ、飽き足らないな。本物のサディストの本性を見せてやるよ。」
潤は、エドワードのその氷のような瞳にゾクリとする。
「…お前が言うと、すげぇ怖ぇ。」
「だから、潤は、今は響ちゃんのそばにいてあげな。」
「ああ。」
「今度こそ、君の哀しみは全部オレが受け止めてあげる。近い将来、潤の子供と4人でここで暮らそう。」
「それは、親父が許さねぇかもしれない。」
「最悪、子供は取られるかもね。」
「そんなことはさせない、絶対に!」
「どうだね、そろそろ潤も親離れしたほうが良い。木下と東堂の確執も終わりにさせようか。」
エドワードは、何かを考えるように薄く笑った。