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愛DoLL☆美しき野獣
第3章 三章
マンションに着くと、今夜は、すでにエドワードが帰宅していた。
「お帰り♪潤。」
「ああ。」
「お帰り、真琴ちゃん。」
あいかわらず彼は、ニコニコ笑顔を振りまく。
真琴は自分に向けられた笑顔にいつもドキドキしてしまう。
「た、ただいまです。」
「ご飯、作っておいたよ?」
「ありがとうございます。」
「良いよ、別に。たまには楽しなきゃ。」
「は、はぁ。」
真琴は潤を見上げる。
潤の顔は、超不機嫌だった。
(やばいなぁ。この人、なんかまた額に青筋が立ってきてるよ。)
そんな機嫌の悪そうな潤には、気にも止めずに、エドは、真琴に話しかける。
「そうだ、真琴ちゃん。今度演劇行かない?今日お得意さんに誘われてさ、なんか女の子を連れてこないと不味いらしんだ。」
それを聞いた潤は、
「だめだ!!!!」
ダンっと、壁を思い切り殴った。
その異様な迫力に、真琴は後ずさった。
(こ、怖いよぉ!!!ついにキレちゃった、この人!!)
「エドの連れは俺がつとめる!!」
「え?でも、潤は女の子じゃないよね?」
「だったら女装でもなんでもしてやるよ!!とにかく真琴は連れて行くな!!!」
(じょ、女装ですか!?そこまでしてエドさんの隣にいたいんですか!?)
潤は怒ったままスタスタ歩き、主寝室のほうへ消えていってしまった。
その様子を見たエドワードは、小さくため息をついた。
「いじけちゃったかな?」
「さ、さぁ。」
「仕方ないね、ご飯先に食べてて良いよ。オレは少し潤を宥めてくるから。」
「・・・はい。」
ズキンと、胸が痛んだ。
(やっぱりエドさんは、潤さんのあとを追うんだ?潤さんのうそつき。この間、エドさんとは恋人じゃないって言ったじゃないか・・もう、よく分からないや。)
「…はぁ…。」
咄嗟に出た、ため息は、小さく、誰もいなくなったリビングへと消えた。