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愛DoLL☆美しき野獣
第29章 波乱の幕開け



「「…ウソだ…潤さんが、そんなことするはずがない!!!!」」


真琴の叫びは、悲痛な叫び声だった。

その叫び声は、潤の心に、突き刺さった。


「…俺は、お前が思ってるほど出来た人間じゃねぇよ…」


「…そんなの…ウソだ…」


静は、真琴の顔を挟み込み、真剣な顔で言う。


「本当のことよ!!!!この二人に、騙されたら、ダメ!!!」


「「でも、あたしは、二人を愛…」」


静は、言葉を遮るように真琴をきつく抱き寄せた。


「「わたしが、それ以上に愛してあげるわ!!!真琴がDoll にされたとき、わたしがどんな気持ちになったか、分かる?」」


「…っ…お姉ちゃん…」


「「あなたは、わたしのせいで…ひどい目にあわされたの!!!潤と付き合った事を何度悔やんだ事か!!!お願い!!!わたしに償うチャンスを頂戴!!!」」


静の真剣な気持ちが、ひしひしと伝わってくる。

真琴もずっと離されて育ってきた肉親にようやく会えて、静に愛されたいという気持ちが、溢れてくる。


(…お姉ちゃん…あたしのお姉ちゃん…!!!)


「…エドさん、潤さん、ごめんなさい…少しだけ時間を下さい…うっ…ひっく」


「「真琴!!!!」」


「…樹…悲しむかもしれないけど、春休みの間だけ…お姉ちゃんと暮らしたい…」


「そうね、とりあえず、わたしと暮らしてみて、それから、これからのことを考えることにしましょう」


「…うん…」


「真琴、卒業、おめでとう」


静は、そう言うと、真琴の額にキスをした。

その様子を見たエドワードが、ピキっと、額に青筋を立てた。


「静、真琴から離れろ!!!!」


「嫌よ!!!!」


「むっ!!!このまま君に、真琴を渡す気なんか更々ないから!!!それだけは、覚えておいて!!!」


エドワードは、潤の腕を掴む。


「行こう、潤!!!」


「…あ、ああ。」


潤は、後ろ髪を引かれながらも、エドワードに従った。


「真琴!!!お前が俺に失望しようとも、お前に対する俺の気持ちは変わらない!!!いつまででも、待ってるからな!!!」


「…潤さん…」


真琴は、潤の言葉に、涙が止まらなくなった。



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