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愛DoLL☆美しき野獣
第30章 宣戦布告


「…静、俺は真琴のことが好きだ」


分かっていたことだが…。

はっきりと言葉に出されて静は、胸が張り裂けそうだった。

家の柵に翻弄されて、本当に好きだった相手とは、結ばれることを許されなかった自分。

その苦しみや哀しみが、一気に溢れてくる。


「…っ…何で、真琴なのよぅ…わたしが、どんな想いで、貴方から離れたか分かる?」


「…分からねぇよ!!!お前がもしあの時、何もかも捨てて、俺と生きてく覚悟があったなら、俺は、死んでもお前を離さなかった」


「…わたしたちは、若すぎたのね…」


「ああ、確かに若すぎた、けどな、俺は、真剣にお前の事が好きだったんだ」


「今は、真琴のことを好きなくせに…」


「この気持ちは、どうやっても覆すことは、出来ない」


「ふっ…とても真琴のことが、羨ましいわ…二人に愛されて…でも、残念ね?」


「あ?」


静は、手で涙を拭うと、その美しい顔を醜く歪ませた。


「日本では、重婚は出来ないのよ?」


「そんなことは、重々承知だ。だか、俺は真琴と結婚すると、決めている!!!」


「あなたたちは、間違ってるわ!!!」


「そうかもしれないがな、いくら肉親だからと言って、お前には、それを止める権利はねぇだろ?」


「権利?そんなの、作ればいくらでも作れるわよ?」


「ちっ…静、どうしても邪魔する気か?」


「ええ、過去の事を詫びられても、貴方たちだけには、真琴は渡さないわ!その気持ちは変わらない!!!」


「そうか…分かった。いくら時間がかかろうとも、俺は、お前から必ず真琴を奪ってみせるからな!!!」


「ええ、望むところよ!!!」



二人の間に、再び、火花が散った。



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