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愛DoLL☆美しき野獣
第31章 鳴り響く教会の鐘

静は、今までありとあらゆる案件を弁護してきたが、中には法廷では、裁ききれない不可解な事件に遭遇し、そのたびに、大川牧師の力を借りたこともあった。
牧師側は、その見返りに、静に、教会の顧問弁護を求めてきた。
静が結婚してアメリカに移住していた時も、その関係は、何年も続いていた。
「ふむ、妹さんが悪魔に取り憑かれたと?」
大川牧師は、65才、その類いを祓う術者としては、世界で5本の指に入るほどだった。
「…はい。二人の男性に、性行為を強制され過ぎて、今では、夜はsexなしではいられないほどになってしまって…わたしは、そんな妹が哀れで仕方ないです…」
「…なるほど…」
「全て、わたしのせいなんです…教祖さま、どうかお力をお借りできませんか?」
泣きながら話を打ち明けた彼女に、大川牧師は、大丈夫、大丈夫と相槌をうちながら、頷いた。
「分かりました…では妹さんを、近々ここへ連れてきて下さい。絶対に悪いようにはしませんから」
「…ああ、ありがとうございます、神よ…」
「フォフォフォ、わたしは、神ではありませんよ?」
「教祖さまこそが、わたしの神です」
白い髭を生やし、十字架を掲げる牧師は、静の言葉に優しく微笑んだ。
「…全てを捧げます、教祖さまに…」
静は、懺悔した。
そして、彼に、全てを賭けてしまう。
そう…
彼の力こそが、悪魔の常套手段だとは、夢にも思わずに…。
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