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愛DoLL☆美しき野獣
第31章 鳴り響く教会の鐘

真琴が、促された場所は、四畳半くらいの小さな部屋だった。
窓からは、教会の大きな鐘がよく見えた。
(立派な鐘だな…)
机の上には、幾何学的模様の紙と十字架の剣が、置いてあった。
「ここへ掛けなさい」
「……えっと…」
真琴は、迷った末、牧師と対面する形で座ることになった。
「君は、以前、何かしらの洗脳を受けたことがあると、聞いたがね?」
「…どうして、そんなこと言うんですか?」
「静さんが、何かと君の事で、心を痛んでるみたいなんだ。わたしが力になってあげたいと、思ってね?」
「大丈夫です!お姉ちゃんは、何か誤解してるかもしれないけど、今、あたし、幸せですから!!!」
「…それは、本当の幸せかな?過去の洗脳を解いたという証拠はあるのかな?」
「…それは!?」
「うん、それは?」
「…無いですけど…」
「やっぱりね。そのまま放っておくと、大変なことになり兼ねない」
「えっ?」
「そういった人間が作り出した幻想を脳に植え付けられた人間は、知らず知らずその負荷が表れ、体を蝕んでいくんだよ」
「…まさか、そんなこと!!」
「あるんだよ、例えば、特定のひとが側にいないと、極度の不眠に陥ったり、何かに依存して、そこから抜け出せないとか、心当たりはないかい?」
「………」
「あるんだね?」
「………」
真琴は、黙りこみ、下を向いてしまった。
潤とエドワードが側にいないと、眠れず、かなりの不眠症になっていたからだ。
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