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愛DoLL☆美しき野獣
第32章 解けない魔法


12時がすぎた頃、静は約束通り、真琴を迎えにやってきた。


「真琴を返してちょうだい!!!」


開口一番に、そう申し出た静は、玄関を開けると、ズカズカと、リビングまで入ってきた。


エドワードは、そんな静に、飽きれながらも、お茶を入れてやる。


潤は、ソファーに座り、長い足を組んだ。


二人は、怒りを抑えて、冷静に静を招き入れたのだ。


静は、真琴の姿が何処にもないことに違和感を感じる。


「とにかく、座ったら?」


「真琴は、どこ?お茶なんていらないから!!!真琴に、会わせて頂戴!!」


「そう?このお茶、美味しいんだよ?」


「ふざけないで!!!!」


静が、叫ぶと、イライラの頂点に達した潤が口元に両手を添えて、彼女を睨みつけた。


「ふざけてんのは、お前の方だろ?」



静は、潤の態度で、粛清された真琴が彼らを拒絶した事をすぐに理解した。


「…ぷっ」


潤の怒り具合に、笑いが込み上げてくる。


(どう?愛しい真琴に、拒絶された気分は?)


「ふふふ、あははは、いい気味だわ!!!そうよ、わたしは、貴方のその顔が見たかったの!!!」


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