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愛DoLL☆美しき野獣
第32章 解けない魔法

「…真琴は、いま、どこにいるの?」
「見たい?」
「ええ、是非とも、一目会わせて欲しいわ!!」
「会わせるのは、無理だけど、見せてあげることなら、出来るよ?」
「この際、それでもいいわ、真琴が貴方たちを、拒絶してるか、ちゃんとこの目で見ないと、引けないじゃない?」
エドワードの話術で、態度が180℃変わってしまった静のことを、潤は、まるで汚いものを見るような目でみていた。
自分の好きだった頃の彼女の姿は、その面影すら跡形も無くなってしまった。
もはや、醜い心に囚われられた、哀れな女だ…同情する価値もない。
エドワードは、自分の携帯を取りだし、画面をスクロールして、Doll 部屋の監視カメラと連動しているアプリを起動させ、その動画を静に、見せる。
そこには、男の子の服を身に纏った真琴が、質素なベットの端に座り込み、涙を流しながら、蹲っていた。
「なっ、真琴は何処にいるの?」
「ここが何処だとは、明かせないが、今、世間から隔離された特殊な部屋に、真琴は、いる。」
「えっ?」
「オレたちのことを、激しく拒絶したから、ここに閉じ込めたんだ。二度とここから出してあげるつもりは、ないよ?」
エドワードの言葉には、本気の色が混じっている。
少し狂気めいた彼に、静は、簡単に飲み込まれてしまう。
「…ふ、ふふ、面白いわ、貴方」
「そう?」
「…ええ。貴方を味方に付けたら、この世に、何も怖いものなんか無さそう…」
「よく、言われる。」
エドワードは、そう言うと、壁に手をつき、静に顔を更に近づけさせる。
「「ビクッ!?」」
彼の氷のような微笑に、戦いてしまう。
「けど、逆に、オレを敵に回したら、どうなるか、分かってるよね?」
冷たく流し目で、さらりと放たれたエドワードの言葉に、静はゾクっとする。
世界を牛耳る財閥、ジャックスホード家のエドワード、その美貌と、背後に持つその圧倒的な支配力に、静は、完全に恐怖を抱いてしまった。
(…真琴は、とんでもない怪物に、捕らえられてしまったのね、可哀想に…)
客観的には、そう思うが、本心は止められなかった。
(………ふふ、やだわ、さっきから変な笑いが止まらないじゃない。真琴…ざまぁみろだ!!!!)
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