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愛DoLL☆美しき野獣
第32章 解けない魔法


静は、じぃーっと、エドワードの携帯の画面を凝視してしまう。

真琴は、顔を上げて、監視カメラを見つめた。

真琴からは見えないが、静には、目が合っているように見える。

そして…涙を流しながら…。


『エドさん、潤さん、あたし、お姉ちゃんの所に帰りたい…ここから、出して?お願いします!』


「ぷっ!!」


それを見た静は、ぷっと噴き出し、高々と笑った。



「ふふふ、あははは!!!」



(これ以上に、見たかったシチュエーションは、ないわ!!)


それを見たエドワードは、怒りに震え、携帯を壊れそうなほど、握り潰しそうになったが、"これもこの女を陥れる為だ"と、心に言い聞かせて、何とか平静を保った。


静は、踵を返す。

潤の事を、少しも見ずに、颯爽とリビンクを出て行こうとする。


「わたし、帰るわ!」


「おい、てめぇ!!!!」


怒りを露にした潤が引き留めようとするが、エドワードに押さえ込まれる。


「静には、お帰り頂こう?その方がいい」


「…だが、真琴はどうなる?」


「知らないわよ、わたしは、もう、真琴に何の未練も無くなったわ!アメリカにでも帰った事にしておいて下さる?エドワード氏?」


「分かった。もう、二度と真琴の前には現れないでくれ!!!」


「ええ、もちろんよ!!!」


「静、お前それでも…」


「潤!!!話は終わったんだ!!彼女の好きなようにさせてやれよ!!」



「ちっ!!!」



「じゃあ、さようなら、二人とも、これからも真琴をよろしく頼むわね?ふふ」


静は、振り向きもせずに、右手を上げて、出て行ってしまった。



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