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愛DoLL☆美しき野獣
第32章 解けない魔法

なかなか泣き止まない真琴に、潤は、不器用ながらも、フレンチトーストを作って食べさせた。
少し焦げ臭い味が、真琴の心を擽る。
「潤さん、ありがとう」
潤は、コーヒーに口をつけ、泣きながら食べる彼女の涙を拭った。
「…エドさんは?」
「知るか!!!仕事行ったんじゃねぇの?」
「…潤さんは、行かなくていいの?」
「こんな状態のお前を残して行けるか!!!こんなとき、自由に休めるのは、自営業者の強みだな?」
「…ぷっ、権力振りかざしてるね~?」
「やっと、笑ったな?」
「…えっ…」
「やっぱり、お前の笑顔が一番好きだ」
「…!?」
潤の思わぬ告白に、胸が熱くなった。
「食ったら、少し寝るか?俺も全然寝てねぇんだわ。エドの体力が羨ましいな」
コクンと頷く。
「…眠れるかな…」
「仕方ねぇ、お前が眠りにつくまで、ずっと抱き締めててやる!!!ありがたく思え!!!」
優しすぎる潤の台詞に、また胸が熱くなった。
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