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愛DoLL☆美しき野獣
第1章 一章

心の中に後味の悪い気持ちだけが残った。
そして辺りを見回した。

きちんと整えられている調度品からして、ひどく上流階級の匂いがする。

真琴は財布やパスポートも取られ、身一つでここに残された。

この長い廊下の先に、ご主人さまがいることは、確かだ。

(出迎えに来ないということは、もう寝ているのだろうか?)

真琴は、またつばを飲み込み、エレベーターホールを見た。

(逃げ出したい。もしかすると、今がチャンスか?)

そう思って、逃げ出そうとした、そのときだった。

真琴は、いきなり何者かに、後ろから右腕を引っ張られて、半ば強引に引き寄せられた。

「…っ!!」

その予期せぬことに驚いて、真琴は体が固まってしまった。

「…え?」

(お、男の人に、抱きしめられている!?)

視線を上にやると、真琴は思わず顔を逸らしてしまった。

自分の頬に、すごくたくましい男の腕の感触がある。
しかもかなり腹筋が割れている。

「…ひっ!?」

男の人の上半身裸があった。
その体は、細身の長身で、顔はもっと上のほうにありそうだった。

「うわぁあああーーー!?」

真琴は慌てふためいて、一気に顔が真っ赤になった。
なぜなら、見上げた先には、信じられないくらいの美貌の青年が自分を見つめていたから。
金髪のサラサラの髪、青い瞳はサファイアのように輝いて綺麗だった。
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