この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛DoLL☆美しき野獣
第32章 解けない魔法

カーン、カーン、巡礼の鐘が鳴り響く。
ガチャ、教会の前に、グレーのBMWの運転席のドアから、白いスーツを身に纏ったエドワードが下り立つ。
その姿は、神々しいくらいに、美しかった。
「…真琴、久しぶり。」
BMWのとなりに横付けされた黒いベンツ。
その中から黒いスーツを着た潤と白いワンピースを着た真琴が現れた。
二人とも見ないうちに、少し窶れているような気がした。
「潤も、元気だった?」
「ああ」
「あまり元気そうには見えないね」
「気のせいだ。それより樹は?」
「メアリーに預けてきた」
「そうか、ずっと面倒かけっぱなしで、悪いな」
「いいんだ、オレも、樹がいてくれて、気が紛れてるし。早く、真琴に会いたがっていたよ?」
「俺は?」
「………さあ?」
「樹め、帰ったら、説教だな」
「潤さん、やたら叱っちゃ、ダメだよ!」
「真琴!!!」
エドに名前を呼ばれて、ビクっとする。
まだ、あの時の恐怖が完全に治ったわけじゃない。
でも、このままずっと、彼を避けてばかりもいられない。
「…エドさん…あたし。」
.

