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愛DoLL☆美しき野獣
第32章 解けない魔法

ミサが終わり、教会の門から、ゾロゾロと出てくる。
彼らは、同じような服装で、同じような表情をしていた。
牧師による催眠術に掛けられたのかもしれない。
「ミサが終わったようだ…」
エドは、真琴に近づき、彼女の頬にそっと触れた。
「…あ、やっ!!」
ビクッ、体が勝手に彼を拒絶してしまう。
潤は、横で黙って二人のやりとりを見ていた。
エドは、不安そうな顔をして、真琴の頬を撫でる。
「君は、心も拒絶してるの?当たり前か…」
「違う!!!」
強い眼差しで、彼を見つめる。
その瞳は、真っ直ぐに自分を見つめていた。
エドは、安堵のため息をつくと、フッと笑う。
「このまま潤と二人で幸せになろうとは、思わなかったの?」
「……っで!!!」
「潤なら、どんな君でも、変わらない愛を約束してくれただろ?」
「……っ…!!!」
「だけどオレは、一緒にいれば、どうしても、君を傷つけてしまうよ?なぜ、ここに来た?」
真琴は、震える手で、頬を撫でる彼の手を握り、目を瞑って、その手を自ら刷り寄せた。
「…大丈夫、怖くない!!!」
その行動に、エドは目を見開いた。
「…体が、震えてるじゃないか?無理はしなくていいよ?」
真琴は、ブンブン首を横に振る。
「違う!違うの!!!」
「何が違うのさ?」
そして、涙を溢しながら、叫ぶ。
心と体がバラバラになっても、これだけははっきり言えた。
「足りないの…あなたがいないと、心が張り裂けそうなの!!だから、そんな事、言わないで!!!!」
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