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第32章 解けない魔法

その刹那。


彼の両腕が、空を切る。


息も出来ないほど、強く。


「真琴!!!!!!」


彼女を抱き締めた。


「…エドさん…!?」


天高く聳え立つ、十字架の元で、二人は、愛を確かめあった。


「君の事を、愛してる」


「うん、うん!!!」


(あたしもだよ、エドさん!!!!)


そっと、唇に口づける。

優しい口づけだった。

心が、満たされる。

不思議と恐怖は、感じなかった。


二人は、見つめあい、微笑み合う。



「あたし、あなたとの約束を果たしたい！!」



「…真琴？」



「いっぱい頑張るから!!!!」



真琴の想いに、エドは、クスリと笑う。

愛しい彼女の耳朶に触れながら。



「大丈夫…オレが君の体を元に、戻してあげるよ…？」



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