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愛DoLL☆美しき野獣
第33章 姉への想い

たちまち、教会の中は、火の海と化した。
「一先ず、オレらもここから退散しよう」
「ゲホ、ゲホ、ああ。お前よく平気だな?」
「まともに煙を吸い込むからだ。」
「あいつ、どうするんだ?」
潤は、乱心して床に這いつくばる神父を指差す。
とても苦しそうに、胸を押さえている。
「助けるに、決まってる!!まだ真琴にかけた催眠術は、解けてないんだから!!!」
「…おいおい、その為だけかよ…」
「は?嘘だよ!!!この状況で、素直に人助けするに、決まってるだろ!!!」
「はいはい、分かった…って、あちぃ!!!」
エドと潤は、炎を避けながら、神父の所へ駆け寄るが…。
「…死んでる」
「あ?」
「息をしていない。」
エドは、頭が真っ白になり、荒々しく神父の体を揺する。
「「頼む、頼むから、息をしてくれ―!!!」」
炎が、容赦なく襲ってくる。
潤は、エドの腕を掴む。
「とにかく、逃げるぞ!!!!」
「嫌だ、真琴は、真琴は、どうなるんだよ?」
「それは、後で考える、俺らが死んだら、元も子もねぇだろうが!!!!」
「でも!!」
「でもも、糞もねぇよ!!!お前は、生きて真琴に会いたいだろうが?」
「…ああ、そうか、そうだね」
エドは、神父の遺体を離し、潤の命令に従った。
(真琴、真琴、真琴、オレは、君がどんな姿のままでも君との約束は諦めないよ!!!逃げ出したとしても、絶対に探し出すから!!)
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