この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛DoLL☆美しき野獣
第33章 姉への想い

次の日、催眠療法から目覚めた静は、もののけが落ちたように、すっきりとした顔をしていた。
「…大川神父さまはわたしにとって、本当の父親のような人だったの。だからわたしは、彼に依存してしまったのね。」
「お姉ちゃん、一緒にご冥福をお祈りしよう?」
「…ええ」
「何も知らないくせに、偉そうな口を叩いてしまって、ごめんなさい」
「…そうね」
ぐぅうっと、静のお腹の音が鳴った。
「なんか、お腹が、空いたわ」
「うん、ご飯をいっぱい食べて、元気になろう!嫌なことは、忘れて前向きに、ね?」
「真琴は、元気ね…わたしは、あなたに、とても辛く当たり散らしていたのに…」
「あたしは、大丈夫だよ?」
「…空元気なの?」
「ううん、違よ!!だって、あたしは、お姉ちゃんのこと、大好きだから!!」
「…全く…あんたって、子は…」
静は、頭を抱えるが、その心中は、驚くほど穏やかだった。
「でも、わたし、まだ潤のことが好きよ?」
「うん、知ってる」
「なんか認めたら、すごく気が楽になった気がするわ。」
「そっか、それは良かったよ。」
真琴は、静の手をぎゅうっと握る。
「潤さんのこと、無理に忘れないでいいんじゃない?想うのは、自由だ!!」
「…あなた、どこまでお人好しなのよ…」
「あたしは、お姉ちゃんの幸せを祈ってるから。諦めるには、人生まだまだ先は長いよ!」
「…そうね…。」
「実は、あたし、潤さんにたいして、モヤモヤしてることがあるんだ。」
「…えっ?」
「結局、あたしは、響さんには、勝てないしさ」
「それって、どういう意味よ?」
.

