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愛DoLL☆美しき野獣
第33章 姉への想い

「樹、一人できたの?」
「ちがうよぉ!!」
「そうだよね…潤さんとエドさんは?」
「お仕事だよぉ!」
「じゃあ、誰と来たの?」
「うんとね、メアリ―!!!」
「えっ?」
真琴は、一気に青ざめる。
「あ、ほら、メアリ―が来たの!」
樹は、真琴の後ろを指を差す。
おそるおそる振り返ると、案の定、厳しい表情で、自分のことを見下ろしているメアリ―がいた。
「こんなに小さな子を何週間も放っておいて、バカンスですか?」
「ち、違いますよ―!!」
「…まあ、いいです。今回も多目に見て差し上げます。」
「ありがとうございます。」
真琴は、ペコリと頭を下げた。
「フデレリック様からの伝言です。」
「は、はい。」
「エドワ―ド様に、二週間の有休を取らせたので、真琴さまは、今すぐ指定された場所にお越し下さいとのことです!」
「潤さんは?」
「フデレリック様は、エドワ―ドさまとふたりきりでお過ごし下さいと仰っていましたが?」
「ふ、ふぅん、そうなんだ。樹は?」
「引き続き、わたくしが面倒をみて差し上げます!」
「えっ―?」
「暫くまた真琴さんと会えなくなるから、樹お坊っちゃまが寂しがると思ったので、わざわざこうしてこの島までやって来たのに、迷惑でしたか?」
「い、いえ、全然迷惑だなんで!!!ありがとうございます!!!」
「かぁちゃまに、また会えないの?」
「二週間なんてすぐだよ、そしたらまた、パパとお父さんと、四人で暮らそうね?」
「うん♪ぼく、待ってる!」
「それと、大学には、休学届けを提出してありますとのことです!!!」
「えっ?入学式にも出てないのに…」
「入学金等は全て支払い済みですから!落ち着いたら、通いはじめれば宜しいかと思いますよ?なんなら、わたくしがまた勉強のご指導致しましょうか?」
「い、いえ、それは、ご遠慮しておきます。」
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