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愛DoLL☆美しき野獣
第34章 激愛の末に…



この南部屋には、バス、トイレ、居間、寝室、空調、全てが整われている。

寝室にある、天涯付きの大きなベットに、真琴を横倒すと、真琴の目がうっすら開いた。


「…ん、エドさん?」


「あ、気がついた?」


「…ここは?」


さっきいた部屋とは、全然違う造りで、とても華やかに感じた。


「その昔、この城の城主は、海外から招いたお姫様をたいそう、気に入り、その生涯をこの部屋に閉じ込め、一生を過ごさせたらしい」


それを聞いた真琴は、目をぱちくりさせる。


「それって、あたしを…幽閉するってこと…?」


エドは、申し訳なさそうに、頷く。


「エリザベ―トが帰るまで、いい?オレの有休が終わるまで、ずっとこの城に居座るつもりらしいから。そしてオレは、親父にパスポ―トを握られていて、国外からは出れない。」


「…それでも…」


「それでもじゃない、もしも君に何かあったら、オレは生きていけない!!」


エドは、真琴のお腹に、耳を当てる。


「ちょっ、赤ちゃんがまだ、出来てるかなんて、分からないよ、エドさん?」


真琴は、大げさだなぁって、クスクス笑う。

そんな、真琴に、エドは、彼女の両手首を掴み、顔を近づける。

青い瞳は、真剣だった。

真琴は、ドキドキが止まらない。



「せめて、潤が来るまで、言うことを聞いてくれるね?」



潤の名前が出て、ドキンと、心臓が飛び出しそうになった。


「…潤さんが、来るの?」


「ああ」


ドキンドキンドキン、その胸の鼓動は、エドに聞こえてしまいそうなくらい、大きかった。


(…今までの経験上、女の嫉妬はとても醜くて、執念深いものだと思った。もしも、このお腹にエドさんの子供が宿っていたら、エリザベ―トさんは、何をしでかすか分からない、エドさんがそんな不安に陥るのは、仕方の無いことなのかもしれない。)



「…そっか、分かったよ?」



「良かった、ありがとう」



(エドさんの子供が宿っていたら、潤さんは、喜んでくれるよね?)

真琴は、潤に会いたいような、会いたくないような複雑な気持ちになっていた。



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