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愛DoLL☆美しき野獣
第35章 幽閉されたお姫様と嘘つき女王

カインと潤は、早速、ライトを持って、古城の地下室へと下りて行った。
廊下の端にある螺旋階段を下りた先は、広い空間になっていた。
そこら中に、古い品々が棚に、陳列している。
「すげえな…」
「すみません、木下さま、少し右に寄って頂けますか?」
「ああ」
中にも、正面にある金の大きな造りの王座には、目がいく。
キィィ。
カインが、その王座の右の肘掛けを動かすと、椅子全体が擦れ、後ろから隠された階段が出現した。
その先は、灯りのスイッチがない。
カインは、ライトをつけて照らす。
照らされた石段造りの階段は幅が狭く、人がひとり通るのが精一杯の大きさだった。
「ここから先は、お一人で行って下さい。わたしは、もうすぐお帰りになる、エドさまをお出迎えしなくては、いけませんので」
「わかった。」
「木下さま、先程仰られた女性の方は、名前を名乗りましたか?」
「ああ、エリザベ―ト・クライアンと言っていたな」
「はぁ…作用ですか…」
カインは、視線を落とす。
その表情から潤は、彼が何を考えているのかは、分からない。
「では、お気をつけて…」
灯りを潤に手渡して、そう言うと、カインは、地下室を後にした。
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