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愛DoLL☆美しき野獣
第35章 幽閉されたお姫様と嘘つき女王

「エドワ―ドさま、お帰りなさいませ、フデレリックさま、ようこそお越し下さいました。」
カインは、頭を下げて、彼らを出迎えた。
エドは、城に着くなり、周りをきょろきょろと見回す。
「潤は、もう着いた?」
「はい、今頃は、真琴さまの元へ向かっているかと…」
その言葉を聞いて、エドは、少しムッとする。
「カイン、お前は地下室の階段を潤に教えたのか?」
「はい。」
「なぜだ?」
「申し訳ありません、木下さまが切羽詰まったご様子で、どうしてもと、仰ったので…」
「全く、オレの帰還を待たずに、真琴に会いに行くなんて…」
ブツブツ言いながら、エドは、スタスタ歩いていく。
懐から取り出した鍵を握りしめながら。
「おい、エド、わたしを置いていかないでくれないか!!!」
フデレリックは、先をスタスタ歩いていく息子を追いかけるのに、必死だった。
「親父、少しは運動をした方がいい」
「息子よ、確かに、検討する余地はありそうだな。エドの足にはついていけん!!」
「フデレリックさま、すみません、お先に失礼します。」
カインは、会釈をして、フデレリックを通り越して行った。
「ふっ、カイン、お前、主人より先に歩いて良いのか?」
「いえ、わたしの主人は、エドさまのみと、申し上げたばかりですが?」
カインの表情は、至極真剣だった。
エドは、照れたように、言う。
「…なら、お前の好きにしろ!!」
「はい、勝手にさせていただきます。」
カインは、嬉しそうに、にっこり笑った。
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