この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛DoLL☆美しき野獣
第4章 四章
その数時間前のこと。
真琴は、エドワードに何をされても、仕方がないと諦めていた。
しかし、彼は…。
手に持っていたきのこ雑炊を、ベットの上に置いて、壁に向かって背を向けた。
「真琴、目を瞑って、耳を塞いでいろ。」
「…エドさん?」
「いいから、早く!!!!」
「…!?」
賺さずドカッと、その壁を殴った。
怒りに任せて、何度も何度も。
本来なら、真琴を殴っているところを、グッと我慢して。
ドカッ!!!!
ドカッ、ドカッ、ドカッ!!!!
殴られた壁には、ベッコリと穴が空いていた。
防音設備のこの壁は、頑丈出てきているはずなのに。
ドカッ!!!ドカッ!!!ドカッ!!!ドカッ!!!
それを、何十回か繰り返したら、ようやく、頭が冷静になった。
真琴は、その様子を、怖がりもせず、ただ、見ていた。
ただ、¨美しい獣みたいだ¨と、思って見とれていた・・。
「誰にやられたの、それ?」
彼女にかけられた言葉は、ひどく冷たい声色を放っていた。
「こ、転んだんです。って言って、信じてもらえますか?」
その答えにエドはカッして、パイプベットに真琴を押し倒した。
そして、首筋に触れる。
真琴は、ビクっとする。
「他にキスされたり、触れられたりされたところは?」
「・・・・ないです。」
「ウソだな。目が泳いでる。」
「そんなことない・・・。」
「正直に言ったほうがいい。じゃないとオレは、SPを雇ってそいつを探し出すしかなくなるよ?」
「探して、どうするんですか?」
「法的処置をとる。そいつは君を乱暴したんだろう?」
「・・・・・。」
「罪は償ってもらう。今なら、刑を軽くすることも出来るよ?」
「ほんとうに?」
「本当だ。見たところ、最後までは至ってないみたいだからね。」
「潤さんが助けてくれました。」
「へぇ?そう。」
「殴って倒してくれたんです。」
「ふーん、で、君を襲ったのは、誰?」
「・・・クラスメイトです。」
真琴が白状すると、エドワードは身体を起こした。
そして、薄く笑う。
その笑みは、真琴がはじめて見たものだった。
彼が何を考えているか、読み取れない。