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身代わりの夜
第8章 待ちぼうけ役員秘書
「梨華さん、似合ってますよ」

「ありがと……んっ」

 昂奮で眼を輝かせた啓太に、いきなり唇を奪われた。
 梨華も優しく応えた。

 唾液を酌み交わす音が、淫靡な空気を熟成していった。

 舌の絡め合いを解き、唇を離した時には、ふたりとも頬を上気させ、息を乱していた。

「ねえ、脱がせてくれる?」

「も、もちろんです」

 ナース服のボタンを外していく。
 啓太の指は震えていた。
 白衣の前がふぁさっと開くと、ふたたびその眼が真ん丸になった。

「うわあ……」
 正直な反応がうれしかった。

 コスプレ用のナース服は、下着もセットだった。
 白いハーフカップのブラジャーに、白いビキニショーツ。
 どちらもレースをふんだんに使ったセクシーなデザインである。

 けれど、男の顔が昂奮に引き攣っているのは、そのせいだけではない。

 太腿丈のセパレートストッキングを吊っているガーターベルト。
 どちらも純白だが、清潔さよりも色っぽさばかりを強調する。

 本物の看護師が職場で身につけることはありえないランジェリーだった。

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