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身代わりの夜
第9章 盗み聞きオフィス
「課長のおっぱい、柔らかくて……それに、とっても敏感ですね」

「だって……はぁンッ、
 目が見えないと、す、すごく感じちゃう……」

 さっき山野辺が亜沙子に目隠しを施したのだ。
 職場で仮眠を取る時に使っているアイマスクらしかった。

「ね、目隠しって、すごく刺激的でしょう?
 手も縛っちゃいましょうか」

「や、やだ……何するの……」

 アルトの声は少し震えていた。

「大丈夫ですよ。真似事だけです。
 ほら、こうしてネクタイで軽く……
 前で縛れば、いざとなれば自分ではずせますから」

「あ、あんまり強くしないでね」

 心細げに言うものの、おとなしく男の戒めを受けているようである。
 いつもの毅然とした上司とも思えない態度に、啓太の心はますます暗くなる。
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