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身代わりの夜
第10章 純情エッチ代行人
「あんっ、だめよ」

 脚の間に頭を入れると、両手が伸びてきた。

 かまわず、鼻先を突っ込んだ。
 くんくんと音をたてて、ストッキングに覆われた股間の匂いを嗅ぐ。

「ひっ……そんなとこ、嗅いじゃだめっ」

 亜沙子はあわてふためいて脚を閉じようとした。

 両頬が柔らかな内腿にはさまれ、かえって啓太の顔を股間に押しつけることになった。
 鼻の頭を媚肉にこすりつけて、思いっきり深呼吸をした。

 鼻の奥に蒸れた女の匂いが突き抜ける。

 二枚の遮蔽物越しにさえ、チーズを連想させる発酵臭が感じ取れた。
 かすかに汗と小水の匂いも混じっていた。
 丸一日、懸命に仕事をした証しだ。

 梨華のよりもきつい淫臭に、脳天が痺れそうになる。
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