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身代わりの夜
第12章 ふとどき社内エッチ


(貴野課長と……亜沙子さんと、ここでヤッちゃったんだよなぁ)

 朝から啓太は落ち着かない。
 〈シャンジュモン〉のキャンペーンも始まり、今が正念場だというのに、仕事を進める手が滞りがちだった。

 週が明けても、先週末の出来事は心にくっきりと刻まれて、ますます啓太を悩ませる。

 夜のオフィスでの、憧れの女性との情熱エッチ。
 長年の願望が紡いだ妄想ではない。
 手のひらや股間に女体の感触が生々しく残っていた。

 同じ相手と同じ場所にいるというだけで、妖しい気持ちになりそうだ。

(亜沙子さんは気にならないのかな)

 ちらっと課長席をうかがえば、あんなに乱れていた美人上司が、澄ました顔で執務中である。
 おろおろしている自分が、未熟者に見えてくる。

(でも……亜沙子さんは、山野辺とヤッたと思っているんだ)

 胸のもやもやが激しくなる。

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