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身代わりの夜
第12章 ふとどき社内エッチ
 ちらっとドアに目をやった。

 ちゃんと鍵は掛けてある。
 このフロアには大小の会議室だけ。
 昼休みに使用する社員はいないはずだ。

 梨華は会議室のテーブルに腰を乗せた。
 紺のスカートはたくし上げたまま。
 ぴっちりとストッキングに包まれた臀部が、天板に柔らかくつぶれる。

 ハイヒールを宙に浮かせ、啓太の視線を感じながら、膝を徐々に開いていった。
 腋の下がじっとりと湿った。

(ああ、わたし、オフィスで何やってるんだろう)

 はしたな過ぎる自分の行動にあきれてしまう。

 秘書という仕事は華やかなように思われがちだが、実際は縁の下の業務ばかり。
 求められるのは誠実さと正確さと臨機応変な対応、あとは明るい笑顔だ。

 そんな仕事に梨華は誇りを持って取り組み、周囲にも認められてきた。
 まさか昼間の社内でこんな破廉恥な行為をするなんて、考えもしなかった。

 それでも、啓太が昂奮に瞳を輝かせているのを見ると、胸の奥に暖かいものがあふれてくる。
 後悔は霧散した。

(わかってる? こんなことするの、啓太にだけだからね)

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