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身代わりの夜
第15章 これっきりラブホテル
「でもさ、セフレはセフレで、割り切ってつき合ってくれればいいじゃない」

「二股かけるのは、嫌ですから」

「二股って……
 まだ亜沙子さんと交際してるわけじゃないんでしょう」

 それにも自信があった。
 社内恋愛の事情には疎くとも、啓太のことなら感づく。

「まあ、それはそうですけど」

「寝たんだ」

 びくんと啓太の肩が震えた。
 梨華はなおも問い詰める。

「彼女と寝たのね。白状しなさい」

 啓太の態度を見れば白状したのも同じだが、男の口から聞きたかった。

 啓太がためらいがちにエッチの代行をやるハメになった事の顛末を語り出す。
 梨華は最初は驚き、次に顔を赤らめ、最後は噴き出してしまった。

「やるじゃない。
 啓太に出し抜かれた時の、峻の顔が見たかったわ。

 ねえ、湿っぽい別れにはしたくないの。
 最後の夜でしょ。楽しくいきたいな」
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