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身代わりの夜
第19章 最愛美人上司
「あん……くぅん……うぅっ……あぅん」

 熱い鼻息と共に、くちゅん、ぬちゃん、と唾液を混ぜ合う秘めやかな音がした。

 唇が歪むまでこすりつけ、舌の根が痺れるくらい吸いたてた。
 甘いつばを呑み下すほどに、亜沙子への切ない気持ちが膨らんでいった。

 ようやく唇を離したときには、どちらの呼吸も乱れ切っていた。

「貴野課長は最低なんかじゃありません」

 胸の底の気持ちを吐露した。

「誰よりも輝いている女性です。本当です。
 ぼくは課長の下で働けてよかったと思ってます。
 ずっと尊敬していました」

「だめよ。
 こ、こんないやらしい女に、そんなこと言っちゃ……」

「いやらしい女がなんだというんです。
 それで課長の魅力は変わりません。
 いつもの課長みたいに……
 ぼくが憧れていた貴野課長みたいに、もっと自信をもってください」

 もう一度キスをしようとした時、背後で軽快な電子音が響いた。

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