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女社長 飯谷菜緒子
第3章 婚約
それでもいい、翔也を助けることができるなら。近くにいて元気な姿が見れるなら。

居間側が飯谷を手に入れるために政略結婚を仕組んでくるのなら、自分はそれを翔也のために利用する。それが菜緒子の出した答えであった。

汚いし卑劣だとも思う。でも、飯谷工業の社長の娘という立場を失えば非力で何もできない自分が翔也を助けるにはそれしかない。

世の中には悪女と呼ばれる人や悪女として語られる歴史上の人もいる。悪女と呼ばれる人もいろいろな理由があって悪女になっていったんだと思う。
自分もその悪女になるべく進んでいる気がする。

今のこの考えを透真に知られるわけにはいかないと菜緒子は思っていた。迂闊にもこんな考えを知られて、それが漏れて居間側や両親に知れれば全てはパァになる。

だが、そんな菜緒子の考えを透真は悟っていた。
ずっと大好きだった、ずっと愛していた女性の決意に満ちた瞳やダーティなオーラから菜緒子が何を考えているのかは悟れてしまう。

「そうか、菜緒子には翔也しか見えていないんだな、うらやましいな翔也が」と透真は笑う。

その笑顔に菜緒子もまた自分の考えが透真に悟られていると気づいた。

「あたしは透真も好きだ、二番目にな。だが、あたしは薄汚れた悪い女だ。フラれて幸いかも知れんぞ」

そう言って菜緒子は悪戯っぽく笑った。

「薄汚れてなんかいない、やはり翔也がうらやましい。何としてもあいつを取り戻せ。菜緒子の想いに応えないような態度をしやがったらオレがぶんなぐる」

「ありがとう、ごめんな透真」

ふたりは笑顔で見つめ合った。

「翔也には負けたから諦める、でも、もう少しだけ抱きしめさせてくれ」

「透真・・」

透真は菜緒子を抱きしめ、菜緒子もそれを受け入れてしばし抱擁していた。

透真が菜緒子に想いを伝えてからほどなくして居間側真次は透真の父親である敦賀常務の不正を断罪した。

居間側重工の役員を過剰に接待したり贈り物を贈ったりして仕事を取ろうとしたり、また居間側重工の役員を接待したり贈り物をしたことにして架空の経費を計上して私腹を肥やしたりした疑いだ。

確かに飯谷工業が有益に仕事がもらえるようにするために居間側重工の役員を過剰に接待したり賄賂をしたりしたことはあるが、居間側重工の役員たちは接待や賄賂を受けたことを知らないと言ったり、今時賄賂などと言っているとのこと。
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