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女社長 飯谷菜緒子
第4章 初体験
「よくそれでガマンできたね。それだけ先生はその人のことが大切で愛しかったんだね」

景嗣のことを想って志乃の目にまた涙が浮かぶ。
菜緒子はそんな志乃がたまらなく愛しくて思いきり強く抱きしめた。志乃は壊れてしまいそうなほどに華奢だった。

あまり強く抱きしめて密着するものだから大切なところ同士が触れ合った。それは何ともいえない快感だった。ふたりは夢中で女同士を擦り会わせて、本能的に秘穴と秘穴がディープキスをするまでに至った。

それは女同士でしか体験することができないとびきりの快感だった。挿入するモノはなくてもこんなにひとつになれるとは・・。

「菜緒子、菜緒子~」

「志乃、ううっ、志乃~」

ふたりはお互いの名前を叫んで昇天した。

「は、はあはあ」

息を切らせながらふと気がつくと、もう恥ずかしいぐらいにシーツがびしょびしょに濡れていたので恥ずかしそうに微笑みをかわす。

「女同士って挿れるモノはなくても激しいね、先生たちより絶対激しいよね」

「悪い娘だ、こんなに激しいセックスを」

「ち、ちょっと、菜緒子が先にしたんじゃない」

ふたりは顔を見合わせて笑い合った。

「そうだったかな、お前があんまり愛しかったからかな」

そう言って菜緒子は志乃の唇を奪った。

「もう先生のことは忘れた。菜緒子が好き。結婚してもこうして抱いてよね」

そう言って志乃もキスを返した。

こうして菜緒子は初体験を女同士での営みで迎えた。しかしそれは男とのセックスでは絶対に得られない快感があり、菜緒子はそれから逃れられずこの後何回も志乃と関係を持っことになる。

快楽のためだけではなく本当に志乃が愛しかった。
女同士なのにおかしいと思うし、深みにハマらないうちにやめた方がいいとも思ったが、志乃への愛はますます大きなものになっていった。

もう何回目か分からない志乃との営みを終えた帰り道、菜緒子はラブホテルの前で男女が言い争うところに遭遇した。

「そうよ、あたしはこの男(ひと)とヤッたわよ。そりゃあ激しかったわ、何か問題ある?」

「笑子さんは僕と結婚するはずじゃないか。なのに何でこんなことを・・」

どうやら浮気をしてラブホテルから女が出てきたところに婚約者の男が出くわして言い争いになっているようだ。

「ええっ、親同士が勝手に決めた婚約だけどね」と語気を荒げて女は男を睨む。
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