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女社長 飯谷菜緒子
第8章 愛人契約
自分の子ではないふたりの子を愛することはできないのだろう。表向きはやはり仲の良い親子を演じているのではあるが・・。
信彦が愛人たちを囲っているのはそんな境遇から逃れたい想いも大きいのだろう。まあ次々と愛人を作った程だから元来女好きなのではあろうことではあるが・・
「何故だかな?菜緒子殿には不思議と何でも喋ってしまう。やはり愛しているから、本当の自分を曝け出したいのかのお」
信彦は寂しそうな、それでいて優しい顔で話を続ける。他の愛人には種がないことは話したことはあるが、こんな事情は一切話したことがないのだという。愛人を持つ責任として種を失くす手術を受けたということにしてあるとのことだ。
菜緒子のこと初めて見た時から好きで好きでたまらなかったのだとも言われた。他の愛人と全て別れてもいいと言ったのは本心で、菜緒子を手に入れるためなら何を失ってもいいのだと言う。だから、こうして結ばれてくれてありがとうと何度も礼を言われた。
「もしかして、私は奥様に似ているのですか?」
圧倒的に優位な立場にいながら信彦が菜緒子にスゴく気を遣っているのはよく分かった。しかし、何でそんなに自分のことを好いてくれるのかと菜緒子は思った。その理由として考えられることを訊いてみた。
「流石は菜緒子殿、よくお分かりじゃ。若い頃のあれを見ているようじゃ」と信彦は嬉しそうに菜緒子を見る。
信彦は憎みながらも妻を愛していた。信彦の妻も菜緒子と同じようにしっかりして芯の強い女だ。その強さを表すようにキリリとした顔をしている。
そういう強い女が好きなのはブレていないが、愛人には妻とは違って可愛いタイプの女性が多い。
妻程に強くしっかりした女には出会えず、中途半端な強さでは妻と比べてしまってきちんと愛せないから違うタイプの女性を愛人としていたのだ。
それが、やっと妻と同じような女子を見つけたのだからもう夢中だ。勇猛果敢にして気品のある優雅さは妻以上だとも思える。
「もしかしたら奥様はあなた様の種のことを御存知だったのかも知れませんね」
「んっ?」
菜緒子は夫真次とのことを話した。
男色で女がダメな真次。母親からは子を急かされて、種がないことにしようとしたが検査まで受けることになってしまった。
検査の結果種がないことでは誤魔化せないと解った時、菜緒子はあることを考えた。
信彦が愛人たちを囲っているのはそんな境遇から逃れたい想いも大きいのだろう。まあ次々と愛人を作った程だから元来女好きなのではあろうことではあるが・・
「何故だかな?菜緒子殿には不思議と何でも喋ってしまう。やはり愛しているから、本当の自分を曝け出したいのかのお」
信彦は寂しそうな、それでいて優しい顔で話を続ける。他の愛人には種がないことは話したことはあるが、こんな事情は一切話したことがないのだという。愛人を持つ責任として種を失くす手術を受けたということにしてあるとのことだ。
菜緒子のこと初めて見た時から好きで好きでたまらなかったのだとも言われた。他の愛人と全て別れてもいいと言ったのは本心で、菜緒子を手に入れるためなら何を失ってもいいのだと言う。だから、こうして結ばれてくれてありがとうと何度も礼を言われた。
「もしかして、私は奥様に似ているのですか?」
圧倒的に優位な立場にいながら信彦が菜緒子にスゴく気を遣っているのはよく分かった。しかし、何でそんなに自分のことを好いてくれるのかと菜緒子は思った。その理由として考えられることを訊いてみた。
「流石は菜緒子殿、よくお分かりじゃ。若い頃のあれを見ているようじゃ」と信彦は嬉しそうに菜緒子を見る。
信彦は憎みながらも妻を愛していた。信彦の妻も菜緒子と同じようにしっかりして芯の強い女だ。その強さを表すようにキリリとした顔をしている。
そういう強い女が好きなのはブレていないが、愛人には妻とは違って可愛いタイプの女性が多い。
妻程に強くしっかりした女には出会えず、中途半端な強さでは妻と比べてしまってきちんと愛せないから違うタイプの女性を愛人としていたのだ。
それが、やっと妻と同じような女子を見つけたのだからもう夢中だ。勇猛果敢にして気品のある優雅さは妻以上だとも思える。
「もしかしたら奥様はあなた様の種のことを御存知だったのかも知れませんね」
「んっ?」
菜緒子は夫真次とのことを話した。
男色で女がダメな真次。母親からは子を急かされて、種がないことにしようとしたが検査まで受けることになってしまった。
検査の結果種がないことでは誤魔化せないと解った時、菜緒子はあることを考えた。