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女社長 飯谷菜緒子
第10章 志乃と景嗣
志乃は高校の時からの親友ということにして、いや、この点には嘘はないが、 それ以上深い関係にあることは伏して菜緒子は志乃と景嗣のことを話した。
「なる程な・・他所の男と作ってきた子を自分の子として育てろとは男にとっては屈辱的なことだよな」と龍二は景嗣に同情して言った。
菜緒子は三葉信彦のことを思っていた。可哀想にあれ程の大物の男でさえ妻が他所の男と作った子のことであんなに苦しんでいた。それは種がない信彦を傷つけないために妻が取った苦渋の決断だったが、今回は全く事情が違う。悪妻は景嗣のことを馬鹿にしてこんな仕打ちをしているのだ。許せない。
「それにしても志乃さんって人はスゴいねえ。よくこれだけの証拠写真を収集したもんだ」
菜緒子が志乃から手に入れた写真のコピーデータを見て龍二は感心したような、少し呆れたような顔をした。
「いい女だし、一度お願いしたいところだが、これじゃあ浮気のひとつもできないな」と志乃の写真を見ながら龍二が溜め息を吐く。
「もうそなたには体は許さん。他の女に、よりにもよってあたしの親友に目移りするなんて」
と菜緒子は半分以上本気で怒ってみせる。その怒った顔も龍二にとっては可愛く映った。
「わ~、ごめんなさい。オレとしたことがつまらない冗談を言っちまった。オレは菜緒子一筋なんだよ~」
龍二は狼狽えて必死に菜緒子のご機嫌を取りながら菜緒子をベッドに誘う。
「全く、しょうがない男だ」と菜緒子は龍二に身を任せてベッドに押し倒される。
裸で抱き合いながら菜緒子は作戦を提案した。
悪妻の実家の会社の主要取引先はミツバであるから、必然的に景嗣の会社もミツバの影響力はかなり大きい。
ミツバは信彦が社長となって10年が経ち社長の座は長男に引き継がれたが信彦も会長として実権を握っている。信彦は自分のことは棚に上げてスキャンダル等には厳しいから、このようなことを知れば取引停止にもなりかねない。ミツバに知らせるというのはかなりの脅しになるだろう。
この写真を志乃が撮ったとなれば景嗣と志乃の関係が疑われ不利な要素になるから、悪妻のことで悩んでいた景嗣に相談を受けた龍二が身辺調査をしていたことにして証拠物件とする。
更に悪妻とは一度も夫婦性活がないことを景嗣が申し立て、DNA鑑定まですれば悪妻が不倫相手と作った子であることは立証される。
「なる程な・・他所の男と作ってきた子を自分の子として育てろとは男にとっては屈辱的なことだよな」と龍二は景嗣に同情して言った。
菜緒子は三葉信彦のことを思っていた。可哀想にあれ程の大物の男でさえ妻が他所の男と作った子のことであんなに苦しんでいた。それは種がない信彦を傷つけないために妻が取った苦渋の決断だったが、今回は全く事情が違う。悪妻は景嗣のことを馬鹿にしてこんな仕打ちをしているのだ。許せない。
「それにしても志乃さんって人はスゴいねえ。よくこれだけの証拠写真を収集したもんだ」
菜緒子が志乃から手に入れた写真のコピーデータを見て龍二は感心したような、少し呆れたような顔をした。
「いい女だし、一度お願いしたいところだが、これじゃあ浮気のひとつもできないな」と志乃の写真を見ながら龍二が溜め息を吐く。
「もうそなたには体は許さん。他の女に、よりにもよってあたしの親友に目移りするなんて」
と菜緒子は半分以上本気で怒ってみせる。その怒った顔も龍二にとっては可愛く映った。
「わ~、ごめんなさい。オレとしたことがつまらない冗談を言っちまった。オレは菜緒子一筋なんだよ~」
龍二は狼狽えて必死に菜緒子のご機嫌を取りながら菜緒子をベッドに誘う。
「全く、しょうがない男だ」と菜緒子は龍二に身を任せてベッドに押し倒される。
裸で抱き合いながら菜緒子は作戦を提案した。
悪妻の実家の会社の主要取引先はミツバであるから、必然的に景嗣の会社もミツバの影響力はかなり大きい。
ミツバは信彦が社長となって10年が経ち社長の座は長男に引き継がれたが信彦も会長として実権を握っている。信彦は自分のことは棚に上げてスキャンダル等には厳しいから、このようなことを知れば取引停止にもなりかねない。ミツバに知らせるというのはかなりの脅しになるだろう。
この写真を志乃が撮ったとなれば景嗣と志乃の関係が疑われ不利な要素になるから、悪妻のことで悩んでいた景嗣に相談を受けた龍二が身辺調査をしていたことにして証拠物件とする。
更に悪妻とは一度も夫婦性活がないことを景嗣が申し立て、DNA鑑定まですれば悪妻が不倫相手と作った子であることは立証される。