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女社長 飯谷菜緒子
第2章 消えた初恋

見合結婚で父親に嫁いだことを後悔している母親は自分の人生なんだから思うように生きなさいが口癖だったので問題ないと思っていたが、自分の後を継いで飯谷工業の重鎮を担って欲しいと考えている父親があっさりと承諾してくれたのは意外だった。
その裏には何かあるなんて考える余裕もなく、中学を卒業したら翔也と菜緒子から逃げられることで頭がいっぱいだった。
透真が推薦入学の話を決めてから間もなく事態は急変した。
翔也の父親が逮捕されたのだ。
未成年者に酒を飲ませて無理矢理関係を強要したと新聞やニュースでも大きく取り上げられた。
翔也の父親は女好きなところがあったが、女遊びといってもたまにキャバクラやスナックに行く程度で風俗などには手を出したこともない。
基本的には真面目で愛する女性は妻ひとりであった。そんな男が未成年者に手を出すなど信じ難いことではあった。
翔也の母親は即父親と離婚をして翔也を引き取って実家のある田舎へ帰ることとなった。
これは母親や翔也に危害が及ばないように父親と母親で決めたことでもある。
「父親がどうであれ、あたしは翔也、お前のことが好きだ。いつかまた会おう、そして約束どおりあたしと結婚してほしい」
「オレはもうここには戻ってこれない。父親があのようなことをしたんだ、戻ってこれるワケがない」
「だったらあたしがお前の所に行く」
「無理を言うな、飯谷工業を継ぐのがお前の夢なんだろう。」
翔也の言葉に菜緒子はハッとなった。確かに飯谷工業を継ぐのは菜緒子の夢だった。でも飯谷工業なんかどうでもいいから翔也のところへ行きたい気持ちが大きくなっている。
そもそもなんで自分は飯谷工業を継ぎたかったのだろう?今まで築いてきた技術や働く人々を守るため?それも確かに大きな理由である。が、しかし・・菜緒子には夢見ていた飯谷工業の姿がある。
翔也と一緒になって、愛する翔也と共に飯谷工業を盛りたてていく、それも菜緒子が飯谷工業を継ぎたい大きな理由であった。
だったら翔也のいない飯谷工業なんか継ぐ意味があるのだろうか?いや、自分が社長になればいい、社長になって自分の思いどおりに会社を運営できるようになれば翔也を会社に入れることだってできる。
菜緒子は飯谷工業の社長になる決意を固めていた。
「いつか必ずお前に会いにいく。だからそれまでは元気でいてくれ」
その裏には何かあるなんて考える余裕もなく、中学を卒業したら翔也と菜緒子から逃げられることで頭がいっぱいだった。
透真が推薦入学の話を決めてから間もなく事態は急変した。
翔也の父親が逮捕されたのだ。
未成年者に酒を飲ませて無理矢理関係を強要したと新聞やニュースでも大きく取り上げられた。
翔也の父親は女好きなところがあったが、女遊びといってもたまにキャバクラやスナックに行く程度で風俗などには手を出したこともない。
基本的には真面目で愛する女性は妻ひとりであった。そんな男が未成年者に手を出すなど信じ難いことではあった。
翔也の母親は即父親と離婚をして翔也を引き取って実家のある田舎へ帰ることとなった。
これは母親や翔也に危害が及ばないように父親と母親で決めたことでもある。
「父親がどうであれ、あたしは翔也、お前のことが好きだ。いつかまた会おう、そして約束どおりあたしと結婚してほしい」
「オレはもうここには戻ってこれない。父親があのようなことをしたんだ、戻ってこれるワケがない」
「だったらあたしがお前の所に行く」
「無理を言うな、飯谷工業を継ぐのがお前の夢なんだろう。」
翔也の言葉に菜緒子はハッとなった。確かに飯谷工業を継ぐのは菜緒子の夢だった。でも飯谷工業なんかどうでもいいから翔也のところへ行きたい気持ちが大きくなっている。
そもそもなんで自分は飯谷工業を継ぎたかったのだろう?今まで築いてきた技術や働く人々を守るため?それも確かに大きな理由である。が、しかし・・菜緒子には夢見ていた飯谷工業の姿がある。
翔也と一緒になって、愛する翔也と共に飯谷工業を盛りたてていく、それも菜緒子が飯谷工業を継ぎたい大きな理由であった。
だったら翔也のいない飯谷工業なんか継ぐ意味があるのだろうか?いや、自分が社長になればいい、社長になって自分の思いどおりに会社を運営できるようになれば翔也を会社に入れることだってできる。
菜緒子は飯谷工業の社長になる決意を固めていた。
「いつか必ずお前に会いにいく。だからそれまでは元気でいてくれ」

