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女社長 飯谷菜緒子
第11章 禁断
翔也、透真・・。

一度だけ過ちをしてしまった景嗣。このことは志乃には生涯秘密にするつもりだし、だから志乃には負い目も感じている。

真次、信彦、龍二・・。

殆どの者はもういないが、みんな本当に菜緒子のことを愛してくれた。菜緒子も彼等を愛していた。
その愛もはかなく消えた。そう思うと人生なんて夢、幻の如くだと思う。

自分にもしものことがあったら会社はもうやめるか、役員たちの中に継いでくれる者がいるのならば譲ると菜緒子は娘の光莉に言った。

「縁起でもないことを言わないでください」と光莉は怒ったように言ったが、少し黙って何かを考えた。

光莉もこのところ菜緒子の具合が思わしくないことを感じていた。だから、光莉が黙った僅な時間は決意を固める時間だったのかも知れない。

「もしも、その時が来たらわたしが社長になって会社を継ぎます」

決意を固めた光莉は菜緒子を見つめて言った。
その鋭い目力は親譲りの頼もしいもので、女社長の貫禄が充分にあると菜緒子は少し嬉しくなった。
しかし、この娘に女社長などというものをやらせるワケにはいかないと菜緒子は腹をくくった。

「女が社長をやるというのは綺麗事ばかりでは済まないのですよ」

菜緒子はかつて真次の母寿子に言われた言葉を娘の光莉に突き付けた。この娘は利発だから女社長になる器だと喜んでいた年老いた寿子の姿が甦る。

「もしあなたが結婚しても、時には夫を裏切って女の武器を使わねばならない時もあります」

信彦や龍二のことを想いつつ菜緒子は女社長の裏の顔を語った。信彦や龍二のように恋人にはならず一夜限りの関係を結んで会社の危機を乗り越えた時も多々あったと思い出す。

「そのようないかがわしい事をしてきた母を軽蔑するのならそれでも構いません。女社長というのはそういうものなのです。だから、あなたにはやらせたくない」

いわゆる枕営業のような汚いことをしてきたのだから娘に軽蔑されても仕方ないと菜緒子は覚悟を決めた。しかし、娘はかつての菜緒子を思わせるような反応を示した。

「そんなことは承知しております。その覚悟もできています。だから、わたしが社長を継ぎます」

凛として菜緒子を見つめて顔色ひとつ変えずに光莉はきっぱりと言った。

「それよりもお母様に会っていただきたい人がいます」と光莉は切り出した。
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